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2012/05/06

大学院という選択−NPOと研究のコラボレーション

ご無沙汰してます!大学院の同期が次々に内定をもらっている喜ばしい話が最近たくさん舞い込んで来ます。とはいえ私も2年前は「就活生」でもあり、大学院進学を考えていた大学4年生の4月のことを思い出していました。

大学3〜4年の頃、「社会起業家」ブームが到来しました。すでに有名なNPOや企業が注目され始めたことはもちろん、「社会貢献していきたい・社会問題を解決したい」という同世代・ワカモノがたくさんいた印象があります。そのブームが関係するのかしないのかはわかりませんが、当時、それぞれ関心を持っている社会問題にアプローチをするため、プロジェクトや任意団体・NPOを立ち上げた他大学の同級生がたくさんいました。

将来、いつか、自分の珍しいであろう経験を経て見つけた「問題」に、アプローチをしたい。同時に、当時の私にはすごくふわふわとしたアイデアがありました。でも、そのアイデアを「熱意だけで押し通すことだけは避けたい」「本当に良いというものを、しっかりとしたもので証明したい」とも考えていました。そして、「証明したものを持って、体現していきたい」とも思っていました。そのために当時の私は、「大学院に進学すれば、研究者の立場も当事者の立場もわかるし、解決方法がきっとはっきりしてくるし、良いことを上手に伝えられる人になれるだろうと思いつつ…とはいえ両親に大学院進学を切り出せず、就職活動をしていました。しかし、もやもやが晴れないまま、4月の上旬、思い切って全ての選考を中断させ、就職活動を無理やり辞めました。周りからは就職活動から逃げてるとも言われたこともありました。

私の研究は、自閉症の子どもが健常児と共に関わりあえるようなワークショップを実践し、自閉症の子どもがどう他者と関わっていくようになるかを検証する、という研究です。意外と研究としてもアプローチが難しく、数少ないこの研究を、どうしても「特別支援教育」という領域じゃない領域でチャレンジしてみたかったのですが、なかなか研究室がみつからず焦るばかりでした。

そんな中、たまたま今の研究室の安斎さんを紹介していただいたことがきっかけで、山内研の存在を知りました。
酔った安斎さんから話を聞きながら、「絶対ここだ」と思い、山内先生に早速お会いし、お話をさせていただきました。話をすればするほど、「ここしかない」と思い、その日のうちに受験を決めたことが思い出されます。当時は様々な活動をしていた中で、「研究」というものがよくわからないまま、研究計画を考えたり、受験勉強をしたり、なかなか”Hard-Fun”な生活をし、気づけば受験をし、合格をいただくことができました。本当にあっと言う間でした。あの頃の自分の学問の無知さを思い出すと、顔から火が出るほどに恥ずかしいですが(笑)。


そんな私も大学院生活2年目となりました。入学当時には全く想像がついていなかった、研究とNPO法人設立準備のいったりきたり生活を行なっています。これも、今所属している学際情報学府・ならびに山内研究室にお世話になっているからでしょう。様々な思いと、充実した大学院・研究室での生活と、何より研究している内容そのものが、気づけばライフワークに繋がっていくことになりました。

東京大学大学院学際情報学府は、面白く新しいチャレンジができる大学院であり、多様なキャリアの可能性を秘めた大学院です。「文系」「理系」という概念はなく、「学問の『際』」を攻める人たちの刺激的なコミュニティです。山内研究室(学習環境デザイン論)だけでなく、東京大学大学院学際情報学府のサイトを観ていただければわかるとおり、ここじゃないと出会えなかった研究室やさまざまなバックグラウンドや専門をもつ同期、先輩・後輩にもたくさん出会うことができました。

ここ数年で「イノベーション(innovation)」という言葉が飛び交うようになりました。これまでではまるで出くわさない領域同士のコラボレーションが、イノベーションを生み出すとしたら、この大学院にはそのようなイノベーティブな可能性も秘められているのではないでしょうか。先日のBEATセミナーで妹尾堅一郎先生がおっしゃっていたように、イノベーションは先端領域です。さまざまなバックグラウンドをもつ人たちとコラボレーションしながら、学問もコラボレーションさせて、先端領域を切り開いていけると私は思います。


この記事がお役に立てるかはわかりませんが、気になった方はぜひ一度研究室に遊びに来てみてください。毎週木曜日、毎週木曜日午後1時から3時の時間帯で、研究室訪問を受け付けているようです。研究室のHPからコンタクトをとるもよし、私(Twitter@salily1214)に直接声をかけてくださっても構いません。また、6月9日(土)には学際情報学府の入試説明会も開催されるそうです。受験生当時の私は、教育実習のため行けませんでしたが、入試説明会では幅広い研究室の研究内容がポスター展示で見られます。進学を検討していない人にとっても、非常に刺激的な機会となると思います。ぜひお気軽にお越しください。

詳細なことは山内先生のブログや先輩の安斎さんのブログにあるとおりですが、私の記事が何か参考になってくださったらと思います。

教育・学習にまつわることに興味がある人はたくさんいるなあと感じています。就職もなんだか違う。でも「大学院」もなんだか違う…そんなことを思っている人にはお勧めです。最近では大学院進学を考えている相談もよく受けるようになりました。しかし、しっくりくる研究室がみつからないという人もいるようです。そんな人は、大学生でも社会人でも、ぜひ一度、山内先生や多様な研究室メンバーとお話してみると良いと思います。





山内研究室 Blog|【おさそい】山内研究室で学んで見ませんか
http://blog.iii.u-tokyo.ac.jp/ylab/2012/05/post_374.html


安斎勇樹 Blog|就職でも起業でもない、実践的研究者という働き方
http://yukianzai.com/blog/2012/05/02/265/


東京大学大学院情報学環・学際情報学府
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/


2011年度・第4回BEAT公開研究会|「ソーシャルラーニングとこれからの人財育成」開催報告
http://www.beatiii.jp/seminar/048.html
(2011年度BEATセミナーレポートの執筆を担当しました。ありがとうございました!)




*追伸
昨日〜今日にかけて、静岡県の伊東でCHUM事務局設立集中ミーティング合宿をしてきました!その話はまた今度!

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