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2013/08/26

リフレクションの設計について考えたこと:島根の中学生へのカタリバに参加してきました。

Collableとは別件で、現在大分大学カタリバ授業の担当としてもお仕事をしています(Collable7割、カタリバ1割、他大学授業アシスタント2割のイメージです)。
ほんで、大分大学での授業に繋げるべく、島根県雲南市で開催された中学生対象のカタリバ企画に参加してきました。
海潮中学校のサイトにも報告が上がっていますね。
http://www.e-susano.net/blog/ushio-chu/index.php?mode=4
3日間の企画で、1日目は研修みっちり、2日目、3日目は企画が連続して、3つのワークショップを2日間で乗り切るという前代未聞スケジュールでした。

3日間、できるだけ、全体をモニタリングさせてもらえる立場で参加させてもらって、2年間のブランクから見えてきたことが多少言語化できたなぁと思ったので、大分でのコーディネートのために、内省してみました。
特に、リフレクションの設計と、短期的な実践共同体の作り方みたいなことをずっと考えた3日間でした。そしてこうして書いていると、自分の耳が痛い。



まずはリフレクションの設計について。
ここでのリフレクションは、ワークショップ後の振り返りについて言っています。

ワークショップなどの、複数人で作りながら学ぶ学習は、評価の対象が2つあると考えています。1点目は学習者について。2点目はファシリテーターについて。

学習者はここで言えば中学生。中学生に対して、企画責任者が考えている学習目標について、どんな変化が見られたら、達成できたことになるのかを考えるリフレクションは必須でしょう。
ファシリテーターは、ここでいうキャスト(ボランティア)のこと。ファシリテーターの振る舞いを評価するためのリフレクションです。その学習目標(ねらい)を達成させるためにできたこと、できなかったことも評価の対象と言えると考えます。この2点を振り返りながら、次回の企画にどう活かすかを考えるのが、多くのワークショップで見られるリフレクションかと思います。

ファシリテーターが多い企画はファシリテーターの振る舞いについても、企画後のリフレクションで扱うし、多くない場合はファシリテーター自身が、参加者の様子を見ながら内省しているのではないかと思います。


学習者とファシリテーターのリフレクションは、どちらかのことを話し合っても、もう一方の議論に重なる部分があるでしょう。ただ、これら総じて言えることは、そのリフレクションでは何について振り返りたいのかを明確にしないと、リフレクションでの良い問いが出ないということです。
メインファシリテーターの抽象的な問いかけに、フロアファシリテーターは思うがままの発言をするけど、これは何のための、何に繋げる、何を振り返る発言を求められているのかがわからないまま、進んでいってしまう。結果、何を振り返りたいのかが明確にならないまま、場をつなぐように話だけが進んで、その時間はあまり意味を成さないということは、よくあるのかなと思います。

ワークショップでは、学習者は企画側が想定していた以上の学びを得る可能性があって(飛び越える、って誰かFLEDGEで聞いたような)、その場で起こったこと全てを網羅しようと思ったらキリがない。なのその限られた時間で、誰の何について振り返りたいのかを、問を立てることをリフレクションの前に考えておくこと、が大切だろうなと感じました。
逆に考えておけない場合、そのワークショップで目指したいことがあまり腑に落ちてなかったり、企画側が曖昧に考えてしまっている状態なのかなと、思いました。



次に、実践共同体について。
ワークショップなどをしかける人の集まり(今回で言えばこうした何かの実践を行うコミュニティ:実践共同体)が継続させるためには、周辺的な参加(カタリバで言えば、1キャストとしての参加)から、参加の度合いを十全的な参加に向けさせていく(もう少し責任のある役割を持ってもらっての参加)工夫が必要でしょう。それを3日間(ないしはその前から)から考えなければいけないのだから、かなりハードな企画だったのではないかと思いました。

3日間では難しいかもしれませんが、カタリバの文化や企画づくりのスタイルで言えば、キャストがどれだけ他の人と関わる姿が見られたかはもちろん、関わるための役割を与えることも大切だったかもしれません。3日間で終わるような企画であればあまり考える必要も無いのかもしれませんが、継続的に誰かに引き継いでもらいたいと思うのであれば、それなりの工夫が必要だなぁと思うわけです(これについても耳が痛いです)。

実践共同体に投げかける「みんな」という言葉に、本当に「みんな」が入ってますか?
「みんな」に入ってもらうのではなくて、「みんな」を押し付けていませんか?
そんなことを、よく考えます。



と、つらつらと書き留めていますが、これらのことは全部私自身耳が痛いです。(笑)
ただ、3年前じゃ考えられなかったことを考えられたこともあり、今アウトプットできそうなことをまとめてみました。
なんだかまだ整理しきれてないなーと思う点もあり、至らない点がありすぎだぞ、とお叱りの言葉をいただきそうではありますが…苦笑 何より、対話系のワークショップって、どういう点をみて評価するのだろうということは、対話については専門家ではないのでわかりません。聞いてみたいです

引き続き、他の企画や、大分での自分の授業設計を考えながら、振り返りをしてみようと思います。こういう場に書かないと忘れるので。