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2011/08/15

高2の夏休みの革命―Soclaの2週間

京都での日々を更新する前に
忘れないうちに簡単に久々の更新。

先日、Soclaが終了した。

東京大学 x ベネッセ:ソーシャルラーニングプログラム「Socla」
http://www.facebook.com/BEAT.Socla

簡単に説明すると
SNSを利用しながら、自分の進路や将来に繋がる調べ学習をしていく、というもの。
(詳細は上記リンク参照)

Facebook上でボランティアサポーターや私たちファシリテーター、スタッフのみなさんと
高校生がやり取りをしていく中で、自分のこの先に繋がる何かを探っていく2週間でした。

−−−

7月31日、都内や東北、関西からの高校生が勢ぞろい。
そして、この2週間のプログラムの最初の課題
自分の将来や人生につながる「問いをたてる」ということを
みんなに一生懸命考えてもらいたくて、必死でした。
簡単な「問い」でなく、自分の人生において大きな糧となる何かを
必死で探して考えられる「問い」。

高校卒業後の自分を描く、最初の大きな調べ学習。

そういう2週間にしてもらいたい想いで関わっていました。

最初の顔合わせのあと、すぐに京都に行くことになっていた私は
京都での朝から晩まで活動する日々の中で
スキマ時間でFacebookをチェックしたり
京都で高校生の進捗相談をSkypeで行う日々…

たくさんFacebookを更新する高校生もいれば
なかなかログイン出来ない子もいたりする中、
どうやってみんなにとって意義ある日々になるか
おちゃらけて高校生と関わる中で、実は結構必死でした。


部活や生徒会、文化祭の準備で大忙しな高校生もいました。
それでも必死にがんばっている姿が伝わってきたのが本当に嬉しかった。


大学生や社会人のボランティアサポーターさんも
学業や仕事の合間で、たくさん高校生にアドバイスしてくださっていました。
そんな存在が助けてくれていたからこそのプロジェクトでもありました。

まさにサポーターやファシリテーターは、ナナメの関係のようでした。

−−−

高校2年生の夏休みは、私にとっても人生の大きな最初の転機、「大きなキッカケ」が訪れたときでした。

学校嫌いだった私は、学校嫌いがキッカケで教育を勉強しようと思い、志望校を決めました。
まさにそれが高2の夏休みのことでした。
生徒会がものすごく忙しかった高2の夏。


私にとってのその「大きなキッカケ」は、高校時代の国語の先生でした。
授業で1度ももってもらったことはなかったけれど
彼と話した社会のこと、将来のこと、あれが私の最初のスタートじゃないかなと思います。

そんな中、部活(書道)は大好きだった私にとって
私の高校で好きな場所は、書道室であり
春になったら綺麗な桜を独り占めできる、書道室のベランダでした。
書道室のベランダで、かくれが(高校の近所の超人気パン屋)のメロンパンを食べてるときが、至福のときで
好きな歌詞を大きな紙に書道で書いている時間が、自分との対話の時間でもありました。
そして、学校嫌いの私は高3のときにはサボるようになり
同級生とあまり会話をかわさなくなりました。
気に入らないことがあったら勝手に早退したりも
めんどくさいから昼から学校行ったりもしていました。(良い子は真似しちゃだめです笑)

そして、そんな破天荒な私を支えてくれたのは、部活の顧問であり
周りと打ち解けない自分に、恐れずそのまま世界を広げていいと背中を押してくれたのは、塾の恩師でした。

自分のための進路だけど、彼にいい姿を見てもらいたくて必死だった自分もいたように思います。


私は自分の将来を一生懸命考えていたタイプの高校生だったので、
おそらく学校で浮いていて(笑)
「今が楽しければとりあえずよくね?」「とりあえず国公立じゃね?」という空気の中
すごくすごく、寂しかったことを覚えています。

仲間が、そして、ナナメの関係が、私にはいなかった。
田舎なので、情報もほぼ固定されたものしか入ってこない環境でもありました。
私にとって、その環境は当時とても窮屈でした。


でも、私なりに一生懸命考えている自分の未来を、一緒に考えてくれて、意見してくれる
そんな大人たちとの関わりがキッカケで
私は東京の大学に進学をすることを決め、自分の決意に自信を持とうと思えました。


そんな自分の高2の夏を、Soclaが終わった後、気づいたらふと思い返していました。



さらに今は、自分のさらなる原点に帰って、研究の道に足を踏み込んでみることを決めました。
そして、去年は彼らへの恩返しを込めて、彼らとの大きな約束を果たした1年でもありました。

−−−

自分の将来や人生を、一緒に考えてくれる人って、すごく貴重だと、
自分の経験とSoclaでの日々を重ねて、改めて感じました。
私は私なりに、一生懸命考えていて、誰かに見て欲しかったんだなと、今となっては思うのです。

高2の夏は大きな夏だと個人的に思います。
まさに自分の中で小さな革命が起こったようなときでした。
だからこそ、充実した2週間にしてもらいたかった。


8月13日の最終発表会でのみんなのまとめは
私が勉強になるくらいの面白い問いと
それぞれオリジナルな面白いまとめが並んでいました。

大学のパンフレットだけじゃ
偏差値じゃ
大学名だけじゃわからない
それ以上のことを、彼らなりに学んだのかなと思うのです。

さらには文章を読むだけじゃない
時には教えてもらって、助けてもらって、自分で調べてまとめるからこその学びなんだなと思うのです。

「正解は1つじゃない」問い。
それを求めることの難しさと楽しさ。
そして自分の発表ポスターに容赦無いオトナたちからのツッコミ。
悔しい思いをした高校生も多分いるでしょう。

でも、高校生で経験できるなんて、羨ましいと思う。

そうやって、鋭いツッコミをしてくれる大人が
興味をもってくれる大人が周りにいることが、どれだけ幸せなことか。
自分が高校生だったら、うらやましがるだろうなと思いました。


なにより、Soclaで関わってくださったみなさんが、高校生の身近な応援者となってくださったおかげで
かれらはとても素敵な発表をすることができたのかなと思います。

そして、8月13日の頼もしい彼らを見て、
きっと、大きな種ができただろうなと感じました。

参加した全員が、これから「あんな人になりたい」と思わせてくれるような
憧れちゃうようなオトナになってくれることを願っています。

要は、

ナナメの関係という存在、やっぱりおっきいわーってことと
今しかできない学びってあるなぁということと
SNSは学習に使えるヒントがたくさんあるなぁということ
高校生は元気が良かったということです!笑


学術的なまとめは、Soclaの年度末の報告会などで出てくると思うので
個人的感想まで。笑



おつかれさま、とありがとう、これからも応援したい気持ちを込めて
高校生に個人的プレゼントを作りました。
(何時間かかったんだ…研究しろ)

10000日たったあと、もっと先、
この2週間を、彼らはどのように感じるんだろうな。
そして、きっと彼らもこの先、誰かの「憧れ」になるんやろうなぁ。

もっともっと、私こそがんばらなきゃなと感じた2週間。
素敵な2週間でした。本当にありがとうございました。